遺言の方式

遺言の方式

遺言は厳格な様式行為です。書き方には規則があって、それを間違ってしまうと、せっかく書いた遺言の効力がなくなってしまいます。

方式には、3種類の普通方式と4種類の特別方式があります。

普通方式とは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類です。

特別方式とは、「危篤状態にある人がする遺言」「伝染病で隔離されている人がする遺言」「船に乗っている人がする遺言」「遭難した船に乗っている人がする遺言」の4種類です。

ここでは最もよく利用されているであろう、普通方式の中の「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つについて、少し説明します。

自筆証書遺言

全文を自分で書いて印鑑を押すだけという、非常に作成しやすい遺言です。

もちろん、民法に規定されている正式なものですので、ルールに則って作成すれば、法的にも何ら問題はありません。

メリットとしては「面倒な手続きが不要」「お金がかからない」「遺言を書いたことを秘密にしておける」「おやつを食べながらでも書ける」など、手軽に作成することができます。

ただ、手軽であるが故のデメリットもあります。

「書き方が間違っていて無効になる可能性がある」「偽造・変造されやすい」「保管場所に悩む」「検認が必要」「手がだるい」「字が汚い」などです。

検認というのは、遺言を書いた人が亡くなった場合、その遺言書を家庭裁判所に持って行って、遺言書が偽造・変造されていないか、遺言の方式は整っているかなどを調査してもらう手続きです。

デメリットの中でも、書き方の間違いや、検認の手続き、偽造・変造、保管場所の心配などは、我々専門家にご相談いただければ、ほぼ解決するので問題はないかと思います。
ただ、手がだるいのと字が汚いのはどうしようもありません。

公正証書遺言

自筆証書遺言に比べると、公証人や証人2人の介入が必要という事もあり、少々大掛かりになります。

公正証書遺言の最大のメリットは、法律の専門家である公証人が、その内容が法的に問題ないと太鼓判を押してくれることです。また、公証人役場でも保管してくれますので、偽造や変造の心配がなく、さらに、検認が不要だというメリットもあります。

一方、デメリットとしては、「費用がかかる」「遺言の内容を公証人と証人には明らかにする必要がある」というものが考えられます。

では実際に遺言を作成する場合、どちらの方式を使うべきかという疑問があるかもしれませんが、併用するというのも1つの方法だと思われます。

例えば、これだけは絶対書いておきたい部分、あるいは既に決まっている部分を、まず自筆証書遺言で作成します。もし気が変わった場合には書き直せば良いだけです。

遺言は日付の新しいものが有効になりますから、新しく書き直せば、内容の抵触する範囲で古い遺言は無効になります。

そして、徐々に詳細も決まっていき、これで完成という段階まできたところで、公正証書で作成するといった使い分けも可能です。

まずはできるところから始めてみるのが良いのではないでしょうか。

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